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酒井卯作さん(民俗学者)のコメント

琉球、奄美、トカラ列島をフィールドに研究されてきた民俗学者の酒井卯作さんが、「海の産屋」の感想をお書き下さいました!雑誌『きらめき プラス』Vol.63の巻頭シリーズに掲載されています。 長年各地を歩いて、庶民の生活に接し、語りを聞いてきた酒井さんならではの「海の産屋」論。抜粋になりますが、ご紹介させていただきます。 冥土の細道(抜粋) 酒井卯作 (民俗学者・1925年長崎県生まれ) 今年の正月二日、私は東京中野区の「ポレポレ東中野」の劇場で『海の産屋・雄勝法印神楽』と題する記録映画を観ました。 「ヴィジュアルフォークロア」を主宰する北村皆雄氏が、戸谷健吾氏と共同作成した記録映画で、舞台は宮城県雄勝半島にある石巻市の漁村、立浜。 この立浜地区も東北大地震のときの津波の犠牲になったところです。高台にあった一軒を除いて全滅。地区の人口の半分にあたる151人の命も失いました。 震災から一年すぎて、変わり果てた自分たちの地域を立て直そう。仮設住宅から戻って来た12人の地元の漁師たちが、まず考えたのが、六百年の昔から伝わる地元の神楽の再興でした。 神の祭り

「海の産屋」公開記念トーク

2018年1月2日から、東京東中野の「ポレポレ東中野」で上映されていた「海の産屋―雄勝法印神楽」には、多くの皆様にご来場いただき、誠にありがとうございました。1月7日にゲストでお越しいただいた、本作のプロデューサー手塚眞さんと、手塚さんの奥様で漫画『陰陽師』作者の岡野玲子さんのトークをまとめました。 お二人の、雄勝に対する熱い思い満載の内容になっておりますので、是非ご一読ください。 雄勝への思い 手塚眞(ヴィジュアリスト・本作プロデューサー) 岡野玲子(漫画家) 北村「本作プロデューサーの手塚眞さん、それから、奥様であり漫画「陰陽師」の作者岡野玲子さん、お二人に来ていただいております、お二人に短い時間ですけれども、この雄勝に対する思い、またどういう形で、この雄勝の神楽にはまったのか、といったようなことを語っていただけたらと思います。手塚さんと岡野さん、よろしくお願いいたします。」 手塚「本日はようこそ『海の産屋』にいらしていただきまして、ありがとうございます。明けましておめでとうございます、手塚眞です。」 岡野「岡野玲子です。」 手塚「こ

金子遊さん(映画評論家)のコメント

映像作家で、去年(2017年)サントリー学芸賞を受賞された金子遊さんから、「むきだしの縄文―『海の産屋』と『廻り神楽』」というタイトルで、コメントをいただきました! 姉妹作の『廻り神楽』も含めたコメントになっていますので、是非併せてご覧ください。 むきだしの縄文 —『海の産屋』と『廻り神楽』 2011年の東日本大震災において津波被害にあった青森、岩手、宮城の三陸海岸では、復興事業の工事が進むにつれて、次々に遺跡や遺構が発掘されている。たとえば岩手県の大船渡市では、高台に縄文時代の貝塚が見つかり、縄文人もまた津波を避けたのではないかと憶測されている。また、宮城県の気仙沼市にある波怒棄館遺跡では、貝塚からマグロの骨が大量に出土して人びとの驚きを呼んだ。そこから見えてくるのは、縄文晩期の三陸沿岸には津波を予期し、外洋で大型魚を捕るような海洋文化があり、高度な漁具を使用していたことである。彼らは弥生時代に入ってからも、他の地方の鉄や米と交換するために、あえて専門的な漁撈文化を選択した「海の民」だったと考えられている。 海の民と縄文 大津波によって表土がさ