できること・できないこと②

前回に引き続き、股関節の手術(人工股関節)をされた方へのレッスンの話。 今回はお風呂編です。 人工関節を入れてから「またぐ」動きを難しく、1度も浴槽に入れていなかったそう。 そのため冬になるたび何度も風邪をひいていたそうな。。。 はじめは足も全然上がらない状態で、確かに難しいな〜といった感じでした。 爪切りの場合と同様に、手術した股関節の可動域はそれ以上大きく広がりそうにない様子。 ということでレッスンでは、手術した脚を持ち上げる時に、反対側の股関節の動き、上半身の動きを使ってより動かせる範囲を広げていくというアイデアで進めてみました。 浴槽内のイスなど福祉用具もいくつか導入しつつ準備を進めて、寒くなってきた先月から無事浴槽に入れるようになったそうです。 ご本人は本当に嬉しかったようで、お会いするたび丁寧にお礼を言われます。 (頑張ったのはご本人なんですけどね) 爪切りにしろ、お風呂の動きにしろ、本来は病院のリハビリの仕事だよな〜、、、と思わないこともないのですが、 こういった「できないことができるようになる」場面に立ち会えるのはとても嬉しいです

できないこと・できること

1年ほどコツコツとレッスンを続けられている方のお話です。 80歳近い女性の方で、3年ほど前に股関節の手術(人工股関節置換術:THAってやつですね)を受けられてから、脚の付け根(股関節)を動かすのが難しくなり、足の爪切りができなくて困っていたそう。 また、お風呂で湯船に浸かるのも浴槽をまたぐ動きが難しくて3年間ずっとシャワーで過ごされていたそう。 しかも担当のDrに相談すると「風呂なんか入らんでいい。シャワーで十分」と言われたそうな・・・ 上記2点をできるようになりたいとのご希望でレッスンを受けられるようになりました。 股関節の手術を受けると痛みは取れるのですが、どうしても関節の動く範囲(可動域)に制限が出てしまいます。 この方の場合も術後年数が経っていたこともあり股関節の周りはガチガチで、その部分の大きな変化は難しい様子でした。 が、動きを観察すると、脚を動かす時に骨盤や背骨を全く動かしていない感じだったので、座って脚を持ち上げる時に骨盤を後ろに、背骨を丸める動きを一緒にできるように進めていくことで爪切りはできるようになりました。(数回レッスンし

右目と左目・目の動きと全身の動き

いつもレッスンに来てくださるゴルフ好きのクライアントさん。 先日打ちっ放しに練習しに行かれた時に、隣のレーンでレッスンプロがレッスンしているのが聞こえてきたのだそう。 「スイングする時どっちの目で見てる?右?左?」 「左で見る方が頭が残ってうまくスイングできるでしょう」 などなどの話を盗み聞きして無料レッスン状態(笑)だったのだとか。 試しに左目で見るようスイングすると、いつもよりうまくいったそうです。 「でも左目で見るようにするとどうしても肩に力が入るんですよね〜」 とのことで、この日のレッスンのテーマは目の動きとスイング動作でした。 仰向けで目・頭・背骨と腕のつながりを探索して、最後はATMのレッスン5の動きをやってみました。 (写真は違う方ですが) この「レッスン5」は腕や足を傾けながら背骨(胸椎)のツイストする動きを探索していくレッスンですが、特に上の写真にある「手を合わせて腕を傾ける」動きはゴルフやテニスなんかにとってもいいと思うんですよね。 この日は右目で見たり、左目で見たり、両目で見たり、指先を追いかける目を変えながら動きを繰り返す

自分の体が自分のものになる・不安と安心

フェルデンクライス、自分が初めて受けてからだとかれこれ9年くらい前からいろんな形で関わってきているのですが、いまだに知らない人に言葉で伝えるのが難しい。。 僕よりもクライアントさんからいただくお言葉が、とてもクリアに表現している時があってハッとさせられます。 昨日クライアントさんとやりとりしていて頂いたご感想。 以下、原文まま 「フェルデンクライスは、手術した、ケガした方にすごく親和性があると思います。 そうなる前の身体との違い、その人にしかわからない不安が軽くなります。 心身ともに。 本当に、感謝しています。」 病気をしたり、怪我をしたり、歳をとったり… なんとなく自分の体がしっくりこない、不安感や不快感を抱えている方は多いですね。 僕自身長年悩んでいた体の不調がフェルデンクライスを通して大きく改善したのが、ぐっとのめり込んでいく一つのきっかけになりました。 4年間のトレーニング中にトレーナーから受けたFIで、言葉ではなく触れられている感触や動きから「大丈夫」と言われているような深い安心感を感じれ、とても感動したのを鮮明に覚えています。 自分の

長野WS・リフレッシュの旅

先週土曜〜月曜の間スタジオをお休みにさせていただいて長野へ行ってきました。 土曜は恒例の仲間内での練習会。 広島から名古屋経由で6時間ほどかけて移動していた後でクタクタだったのもあり、FIしてもらう間ほとんど寝てしまってましたが・・・苦笑。 トレーニング同期と過ごす時間はホッとしていつも落ち着きます。 日曜は朝イチで1本FIをさせてもらった後にワークショップ。 今回は初めての試みで群馬の吉田くんとのコラボということで、レッスンを2つずつ受け持って交代にリードしていく構成で進めてみました。 これ、なかなか良かったです。自分もレッスン受けられますしね。 合間にペアワークも少し挟みつつ。 フェルデンクライスが初めて、数回目、という方も多かったですが、レッスンが進むごとにみなさん動きが柔らかく広がっていきとても良い空気感でした。 主催してもらった長野・上田の田尻さんはじめ参加していただいた方、ご協力いただいた方、ありがとうございました! 合間の時間に少し上田を観光したり、帰りに名古屋に寄り道して味噌カツ食べたり・・・とリフレッシュ多めでしたが、充実した3

ウォーキング講座・よく知りよく動く

先日己斐公民館で地域の高齢者向けのウォーキング講座でお話ししてきました。 「快適なウォーキングのためのエクササイズ」と題して約90分。 1年ほど前に同様の講座をやらせてもらったのですが、内容を改変しつつ1/3はお話し、2/3は体を動かして、という感じで進めました。 おそらく理学療法士として頂いた要件だと思うのですが、お話しした内容・そして体を動かした内容もほぼほぼフェルデンクライスです・・・。 地域ごとに高齢者のウォーキンググループがあるらしく、今回もそのグループに参加されている方が多く、比較的歩くこと、運動することに興味をお持ちの方が多かったのですが、一般的に言われている「正解」や「正しい方法」とは違った視点での話は面白がっていただけたみたいです。 体を動かしたのもベースはATMのイスのレッスンで。 あまり負荷をかけずにだんだんと体が整っていくのは、ご高齢の方にもとても良いですね^ ^ (いつものATMみたく進めるわけにもいかないので工夫は必要ですが) 自分の体の構造や動きをよく知り、イメージをクリアにしていくことでよく動けるようになる。 年齢

端から中心へ・セラピスト向けワークショップ

昨日の午後はセラピスト向けのワークショップでした。 いつもと同じように ATMで動きの体験→ATMのムーブメントをモチーフに動きの観察→触れること・触れられることでの変化を体験→ペアワークでのハンズオンの体験の流れで2レッスン分進めました。 ワイワイガヤガヤしながらみなさん楽しんでいただけたみたいです^ - ^ とてもいい空気感で僕もとても気持ちよく過ごせました。 今回のテーマは「中心の動き」つまり背骨の動きだったんですが、実際にATMの動きとしてやったのは腕をスライドしたり、脚や頭を持ち上げたり・・・ ペアでのハンズオンでもやってみたのは肩や骨盤を動かすということ。 ダイレクトに背骨を動かしたり触れたりという形ではなく、体の端っこ(遠位)を動かすことで中心(近位)にも動きが起こる、という関係性の中で探索しました。 腕や足を動かすときに背骨や胸から動きが起こるような感覚。 動きの中で中心とのつながりを感じられるようになると、より「軽く」動けるようになります。 このフェルデンクライス独特の動きの捉え方、僕はとても好きな感覚です。 セラピスト向けワー

左足の裏の痛み・習慣と気づき

先日久しぶりにFIレッスンに来られたクライアントさん。 左足の裏が痛くて、左の太ももの外側も張っている感じで辛いのだそう。 「どこが悪いですかね〜」と痛みがあるのでとても左脚のことを気にされている様子でした。 FIでははじめに一通りお話を伺ってから立ったり歩いたりと動きを観察します。 この時も歩いてもらうと、あれっ、と思うくらい左に体重をのせたまま動かれていました。 (ずっと左足の上に頭がのっているような位置関係) 歩く時ほどではないですが立っていても左に体重をのせている感じ。 なんか右にのれるようになると上手くいきそうだな〜という感じだったので、ハンズオンでは右に上手くのれるように、右側の長さを出すことや腕や胸郭の動きを中心に関わってみました。 するとレッスン後は左右どちらにも動きやすくなり、歩き方も左右の脚それぞれに体重がしっかりのるようになり楽になったそうです。 「左が「悪い」んじゃなくて、いつも左で支えるようにしてるから辛くなってたのかもしれないですね〜」 といったお話をしてるととても驚かれた様子で 「自分がやってることって、案外わかって

「悪い」ところの話・フェルデンクライスで言わない事

昨日F Iをしていたときのこと。 クライアントさんの脚を持ち上げて動かそうとした時に、不意に 「股関節硬いですか?」 と聞かれました。 特に硬いということもないのでそのまま 「そんなことないですよ〜」 と答えたのですが、 何でそんなこと言い出したのかと気になって色々聞いてみると、今まで病院のリハビリや整体で 「股関節が硬い」「肩が前に出てる」「首が真っ直ぐすぎる」 等々色々指摘され続けてきたのだとか。 あーあるあると思って聞いてました。 とかく整体やリハビリでは、「悪いところ」を指摘されます。 硬いとか、弱いとか、動かないとか、なんか色々と。 「今までこんなバキバキの人みたことないですよ!」 と来る人全員に決まり文句のようにいう人とかもいるらしい。 でも、フェルデンクライスは違うんです。 先日のワークショップでもでた話題ですが、フェルデンクライスは「悪い」ところを指摘しません。 股関節が動きにくいのだとしたら、「硬い」「悪い」のではなくて、動かないようにかためてしまうことを習慣にしてしまっている(要は「自分がしてしまっている」)と考えるからです。