第1回 Studuio撮影会より(3)

独特のライティングを生かした編集で個性を生かす 最後の彼女は何度となく撮影しているピアニスト。 彼女は毎年、何かしらの撮影会に参加してくれる。 そして、その度にリクエストは変わり、そのリクエストは毎回難しい。 具体的と言うよりは感覚的で迫ってくる。 それでも彼女は私の感覚と近いものがあるのか、私の撮影する写真を気に入ってくれる。 今回のリクエストは「ストレートな自分を表現する」こと。 「具体的には何もいらない」と言うが、それが具体的でない。 でも彼女の言いたいことは何となく感じる。 彼女は普通にしていれば実に可愛らしい女性だ。 しかし、いざ撮影になるとそれを嫌う。 なのでポーズを取るときも鋭い眼光をカメラに浴びせるのだ。 ただ、今回のスタジオでは極端なライティングは期待できない。 もちろん、ストロボを何機か組んで撮影すれば可能だが、今回はそれもない。 この真っ白ではハイキーを生かすしか方法はない。 そこで普段はやらない設定をあえて大胆に。 普通、どんな状況下でも光りと影があるから立体感が生まれる。 しかし、その「影」をなくすと平面的になり、異様な

第1回 スタジオ撮影会レポート

思っていた以上に真っ白なスタジオ 2月15日に開催された『第1回 スタジオ撮影会』のレポートをお届けします。 今回、使用したスタジオは昨年夏にオープンしたばかりの新しいスタジオ。 「スタジオ」とは言え、ごく一般のオフィスビルの一室を改造したもので、広さは約20畳ほど。 大きな特徴は、ホリゾントスタジオ 並みに白いこと。 壁・天井・床まで同じ白に統一されていて、調度品までも白でまとめてあります。 ホリゾントスタジオ は外光を遮断してストロボなどの照明機材でライティングをまとめるスタジオですが、ここは自然光だけでも十分にライティングが組めるのです。 ビルの4階で南側は道路に面しているために、前には影になる様な高い建物も無く、冬の光が十分に差し込みます。 しかし、窓ガラスには「フロストガラス」が採用されていて直接的な光では無く、柔らかく分散してくれます。その上、白に統一された室内でさらに拡散されて実に柔らかい光が室内中に回ります。 また、窓と直角に白壁が配してあり、これを背景にすることで本当にホリゾントスタジオ で撮影された様な写真が出来上がります。

第1回 Studio撮影会より(2)

彼女のイメージは無限 二人目の参加者は、先日のBlue-T撮影会にも参加くださったフルート奏者の女性。 その時は夜の撮影だったこともあるが、彼女からのリクエストは 「カッコイイ系」「ダークなイメージ」「脱・お嬢様」 だったのでストロボを駆使してコントラストをきつめにした写真がメイン。 しかし今回、彼女からもらったリクエストは 「オフショット」「優しく」「カフェでくつろぐイメージ」 だった。前回とはまるで反対のイメージだ。 彼女は彼女なりに、このスタジオで撮影されるイメージを汲んだのかもしれない。 今回、彼女は一般的なフルートの他に「古楽器」と呼ばれるバロック時代などに使われた古いスタイルのフルートを持参された。木製の楽器はこうしたスタジオでの撮影にはアクセントになるかもしれない。 そして彼女は着替えることもなく、普段着のままでカメラの前に立った。 彼女からのリクエストもあって、編集作業においても普段はあまりやらない設定にする。 やや、霞をかける様なイメージか。ソフトフォーカスとまではいかないものの、普通の写真と見比べると、ややボンヤリする様な雰囲

第1回 Studio撮影会より(1)

とにかく、このスタジオは面白い 今回、使用したスタジオは昨年夏にオープンしたばかりの新しいスタジオ。 もちろん、私自身でも使用するのは初めてだった。 ウエブサイトでは「照明機材が不要なほど、自然光が豊か」と謳ってあり、内観の写真からもその雰囲気が十分に伝わっていた。 しかし、天候次第ではどうなるか?が心配で一応はストロボも持参していた。 結果としては、本当に十分な明るさであった。 下手なホリゾントスタジオ よりも理想的なライティングだった。 ただ、自然光であるが故にコントロールは容易ではないのも事実。 そこは割り切って、こうした雰囲気がイメージの写真であれば文句なく使えるスタジオだった。今回の経験からも、また改めてこのスタジオで撮影会を開催してみようと強く思う。 1人目の参加者はカンタオーラ。フラメンコにおける女性歌手。 過去にフラメンコのギタリストを撮影したことはあったが歌手は初めて。 実にスタイルが良く、立ち振る舞いが素晴らしかった。 ご自身でも言っていたが、写真が大の苦手らしく終始緊張気味。でも最後の方では楽しんでいたようにも見えた。 撮影

新しくなった「Blue-T撮影会」005

今回の参加者のうち2名が男性でした。 もともと男性の参加者が少ない撮影会ですが、やはり男性だと色々な意味で思い切った表現ができます。 体の大きさもありますが、画像を荒らすことやモノトーンでも十分に迫力があって面白いのです。 この男性ピアニストはアメリカと日本を行き来する生活で、双方で演奏活動をされているとのことでした。今回は純粋なプロフィール写真とイメージ写真をリクエスト。 まぁ、こうした本当に「一般的」なプロフィール写真であったとしてもピアノに対して体の大きさが十分なので姿勢に無理がないのが楽です。 午前中の撮影だったので、やはり自然光を生かした雰囲気のあるイメージです。 しかし、どことなく古臭いモノクロームで撮影するイメージがあって、ただ単純にモノクローム変換するのではなく、かなり荒れた質感で表現しました。 「引いている場面も欲しい」とのリクエストがあってトライ。 ストロボでカッチリとしたイメージにもしていますが、あえてスローシャッターでぶらすイメージ写真も撮影しています。 黒い背景と光沢感のあるシャツで全体が引き締まった感じがあります。 以

新しくなった『Blue-T撮影会』003

夜だからできる撮影もある 3人目のアーティストは女性フルート奏者。 この撮影会では比較的多いアーティストです。 そして彼女のリクエストもまた最近の傾向を表しています。 「脱・カワイイ」「脱・お嬢様」 彼女の強い意思が感じられました。とにかくカッコ良い写真が良いとのこと。 なので黒バックを基本にストロボで陰影を作りカッチリと仕上げました。 そんな彼女もこだわりが。 背中のレースがお気に入りの黒いドレス。 その背中のレースをアピールした写真も欲しいとのことで背面の撮影。 初めは「ピアノは不要です」とのことでしたが、せっかくなので「借景」として使ってみることを勧めてみました。 以前にも述べましたが、距離が取れるのでピアノを大きくボカすことができます。 それを生かした写真がこれです。 そして同じ理屈でピアノを使った写真がこれ。 採光窓に室内のピアノを反射させて、窓の外からストロボを当てながら撮影。 窓枠や入り口の格子枠を際立たせて立体感を出します。 そしてテクスチャーを使って雪を合成します。 本来なら雪が降っても良い時期なのですが、今年はなかなかですね。

新しくなった『Blue-T撮影会』002

日中の自然光撮影は実に雰囲気がイイ! 2人目のアーティストは女性ピアニスト。 正午スタートの枠でした。 このスペースは壁が白、床も白系と光を回すのには好都合です。 入り口や採光窓が東側にあり、直射日光は入りません。 でもその方が柔らかい光が回ります。 そんなイメージが彼女にピッタリで、彼女がリクエストした「柔らかい雰囲気の写真」が容易に撮影できました。 しかし、柔らかさだけでなく、露出をコントロールすることでシックな雰囲気のある写真も撮影できます。コントラストを高めにして色温度も下げ、室内の照明を全てオフにして、窓からの光だけで撮影すると・・・こんな感じです。 なので、これをモノクロームにすることでインパクトのある写真になります。 ここはアナログモノクロームでも十分に対応できそうです。 日中の時間帯でもストロボ撮影は十分に可能です。 でもやはり個人的にはこうした光を回した柔らかい写真がイイと思っています。 いかがでしょうか? こうしたイメージ写真は笹塚ではちょっと難しいものでした。 しかし、この八幡山のスタジオではこれが容易です。 まだまだ表現の

アナログモノクロームの表現

アナログモノクロームは「芸術」と考える あなたはNHKで放送中の連続テレビドラマ小説『スカーレット』を見てますか? 私は熱心な視聴者と言うほどではありませんが、見られる時は見ています。 初めの頃は全く関心がありませんでしたが、女性陶芸家としての苦悩やぶち当たる壁に向かっていく主人公に惹かれました。 そうしたストーリーはよくあるものですが、写真の世界にも共通しているところがあって惹かれているのです。 私は陶芸の世界を全く知りませんが、ドラマの中での話として一般的な陶芸は電気釜で素焼き・本焼きを行うとのこと。効率的であり確実性も高いらしいです。 それでもドラマの主人公は焼き色にこだわりがあり、昔ながらの「穴窯」で作品制作することを始めました。 このこだわりが、私の言う「写真との共通点」です。 現代の広告写真はほぼデジタル写真です。デジタルは融通が利くし、色々と編集・加工もできるし、解像度やシャープネス、色々なところを含めて「便利」です。 顧客とのやりとりもデータで済むのでメール、オンラインアルバムでやりとり可能です。 もし不備があったとしても少々なら

Photoshopでの編集作業はデジタルのメリット

余計なものを消すのも「編集作業」の大切なこと 各撮影会でピアノを含め、全身写真を撮影する際に 背景紙が小さかったり、会場が狭かったりすると どうしても背景に余計なものが写り込んでしまうことがあります。 例えば、サンプル写真の左側。 これはBlue-T撮影会でのひとコマですが、背景紙の両サイドに店内が写り込んでいます。 それを後の編集作業で消し去ったものが右側の写真。 どうでしょうか?違和感がありますか? このサンプルでは被写体であるピアニストの背景の大部分が白い背景紙に収まっています。 なので、それをサンプルにして両サイドを編集することができるのです。 背景紙の「切れ目」「継ぎ目」はどんなに拡大しても見えません。 もし、背景紙が無ければチョット面倒な作業にはなったと思います。 撮影会で「背景の余計なものは後で消しますから・・・」と私が伝えても あなたはピンと来ないかもしれませんね。 中には「本当に大丈夫なのかしら?」と思われているかもしれません。 でもこの程度のことであれば、さほど難しい作業では無いのです。 いかがでしょう? こうした「編集作業」

Photoshop での編集作業はどこまで許される?

このサンプル写真は昨年夏に撮影したもの。 オリジナルは右の写真。 左は画像編集ソフト「Photoshop」にて加工したものです。 背景のめてセコイヤ並木をすっかり紅葉させてみました。 被写体のサックス奏者の女性が夏のワンピースを着ているので不自然に見えますね。 でも、もし彼女が季節相当の衣装で、この写真だけを見せられたらどうでしょう? ほとんどの人は「紅葉の中で撮影された写真」と信じてくれるのではないでしょうか? 前回、ドレスの色を変えてみましたが、あれも同じですね。 もし、あなたが写真を見てドレスの色に不満だったら変えることもできてしまいます。 昨今は芸能人がアップする写真が「加工されている」と言う疑惑は常に付いて回ります。 その程度はともかく、現代のデジタルカメラで撮影された写真は多かれ少なかれ未編集で世の中に公表されることは「皆無」と言えます。 私もそうです。 何もしないで納品することはあり得ません。 例えば、女性なら肌の質感を編集したり、シワやシミ、ニキビなどを消したり薄くしたりすることは日常的に行なっています。 ただ「整形」となるような

Photoshopで合成写真を作る?

今回のサンプル写真は「合成写真」です。 左の写真がオリジナル。 右の写真は「降雪」を合成しました。 いかがでしょう? 不自然さはありませんよね。 実際、この写真を撮影した日は雨ではありましたが、雪が降ってもおかしくない寒さでした。なので空気感や彼女の服装も「そのもの」です。 こうした「合成写真」は本当に便利です。 もし、あなたのイメージの中に「雨」や「雪」があったとして、 実際に撮影するのは色々と難しいですよね。 まずは理想の天気になるのか?と言うこともありますし。。。 そうした時に、こうした「合成写真」はとても便利です。 今では「クロマキー合成」と言って、緑色の背景で撮影した画像や動画に 自由な背景を合成することが容易にできます。 このサンプルは別の背景を合成しています。 元々、白いホリゾントスタジオ で撮影した写真に、丸ボケの背景を合成しました。 ちょっとメルヘンチックですね。 もちろん、現実的ではありませんが「表現」として有効だと思います。 今度は「非現実的」な合成写真を紹介します。 まず、元になる写真がこのピアニストの写真。 白い背景で撮

真冬の撮影会:Flutist のイメージ写真撮影

季節感のある写真も必要 真冬の屋外は寒いですね。しかしここ数年は「暖冬」傾向であることは確かです。 南関東であれば晴天なら日差しの下、暖かさを感じることもできます。 今回の撮影会は雪が降り出しそうな曇り空でした。 ただ風もなく「極寒」ということでもありません。 真冬に限ったことではなく、屋外での撮影はどうしても背景が入り込むことで季節感が丸見えとなります。 一般的なプロフィール写真、フライヤー用の写真としては使いづらい面があることは確かです。しかし季節物のCM、例えば「初詣」などの宣伝広告で使用される実際の画像は前年に撮影されたものが使用されます。 あなたが冬に開催するリサイタルに使用するフライヤー用の写真にもイメージとして季節感のある写真を使いたいと思った時には「本年」の写真を使うことはできませんよね。 デザイン、印刷はひと月とかふた月前から準備しなければなりません。 そうした時にこうした「季節感」のある写真が必要になります。 冬だから暖かさを表現できる 不思議なもので真冬に撮影された写真には暖かさを表現できるものがあります。 今回、フルーティ