機能性表示食品の事後チェック指針(案)骨子まとまる(消費者庁)

業界初の試みと称して、業界4団体(健康食品産業協議会、日本抗加齢協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本通信販売協会)共催イベント「健康食品の広告を徹底的に考える」セミナーに参加しました。内容は盛り沢山で業界4団体の熱意を感じました。 初めに、消費者庁表示対策課機能性表示食品特命室長から、4年半が経過した機能性表示食品制度について、エビデンスや広告の考え方、チェックの予見性について6月に内閣府から要請があった検討事項「機能性表示食品制度の運用改善」の「案」が示されました。消費者庁と業界団体が協力して「事後チェック指針」等の作成を8月から開始、現在ほぼ完成しており、来年1月の公表予定の前にこれまでの経過等について説明がありました。 「事後チェック指針」(案)骨子の概要は、「景品表示法第7条第2項の運用指針~不実証広告規制に関する指針~」を踏襲したもののようです。同法の抜粋ですが、合理的根拠と認められるには、次の二つの要件を満たす必要があります。①提出資料が客観的に実証された内容のものであること(→機能性表示食品事後チェック指針1)、②表示された効

最近、テレビCMについて思うこと

筆者の経験談ですが、広告媒体者のテレビ局の相談にかなり苦戦したことを思い出します。平成16年頃食品広告規制ができたばかりの当時、健康増進法誇大表示規制は媒体者にも責任ありと打ち出したため、毎日、相談の電話がならない日はないほど、その関心の高さを感じたものです。当時は事例も少なく、行政の判断は相談者のよすがになったように思います。 当時、某大手メーカーのCMでテレビ局、広告代理店を巻き込み、筆者の指導がなかなか受け入れてもらえない事例がありました。詳細は省きますが、広告規制の基本中の基本「健康保持増進効果」とは何かについて筆者の説明と事業者の主張がかみ合わないのです。しかし、そのメーカーの影響力は大きく、中小の企業も模倣するほどですから、筆者も必死でした。地方厚生局や関係省庁へ助言を仰ぐも、しっくりと納得のいくものは得られませんでした。筆者は本件に限らず事例を重ねて方向性を導き出すしかないと考え、広告規制のイロハについてテレビ局や広告代理店、事業者等の方々と議論に議論を重ね、研さんの日々が何年も続きました。本当にお世話になりました。 最近、テレビC

機能性表示食品制度の運用改善(内閣府)

令和元年6月6日、内閣府規制改革推進会議は第5次答申の中で機能性表示食品制度の運用改善について公表しました。内容は、ア機能性表示食品に対する法執行方針の明確化、イ機能性表示食品制度の運用における連携強化というもので、それぞれの「基本的考え方」に対する「実施事項」を示しています。要約すると次のようになります。 ア 機能性表示食品に対する法執行方針の明確化 :本制度は、事業者責任で運用されるものであり、広告・宣伝内容が科学的根拠を欠いていれば景品表示法等関連法令による処分は事業者責任に他ならない。しかし、その場合、複数の是正措置のどの法規に規制されるのか予見性に乏しく分かりにくい。機能性を裏付ける科学的根拠がどのような場合、その科学的根拠を欠き景品表示法による処分の対象となるのか、ガイドライン等で考え方を整理して公表すること。 イ 機能性表示食品制度の運用における連携強化 :本制度は、食品表示法に基づく制度であるが、その広告・宣伝が誇大広告に該当する場合、景品表示法の対象となり規制を受けるのは当然であるものの、違法性の判断は個別文言ではなく内容全体か

いわゆる健康食品(健食)の広告とは?

食品で健康保持増進効果を広告で謳う場合、一定の基準があります。公取委(九州)では、いわゆる健康食品(以下、健食)は「食事や運動の補助的な栄養補給をするものであって、 飲めば痩せるなど栄養補給を超えたものを打ち出すことはやめてほしい 」と注意喚起しています。健康増進法第31条第1項で健康保持増進効果等についてその表示内容(①健康の保持増進の効果、②内閣府で定める事項、③暗示的または間接的に表示するもの)を明らかにしており、その表示が著しく事実に相違する、あるいは著しく人を誤認する場合に虚偽誇大表示に該当するとしています。 健食の広告で健康保持増進効果を謳う場合はその効果に相応の科学的根拠が必要になります。以前に小欄でも触れましたが、筆者がかつて対応した広告指導の経験上、ほとんどの健食事業者(そのほとんどが大手企業)が、その健康保持増進効果の科学的根拠を持ち合わせていませんでした。このような健食は広告で健康保持増進効果が謳えないことになります。 しかし、事業者によっては健食の当該成分の品質管理と安全性、つまり、「優れた品質管理と安全な食品」を伝えるこ