• 岡島幸男

ANA様の働き方改革へのご支援について(開発編)

ディレクターの岡島です。

共創・共育サービスのニュースリリースおよび、JBPress にて掲載された記事「ANAの働き方改革、業務支援ツールをアジャイルに改善」に関して、アジャイルスタジオ福井がどのように関わっているか、今回は主に開発について、ベンダー目線で補足説明します。

スピーディーに複数のPoCプロジェクトを同時進行させたい(しかもそれぞれのエンドユーザーは別々の部署)というご要望に対して、ASFでは、それぞれ個別の契約にするのではなく、準委任による包括的な契約としてご提案しました。メンバーの数と契約期間をお約束し、「その間に複数のプロジェクトをできる限り開発する」、というスタイルです。

これだけ聞くと、かなり危うく感じられる方も多いでしょう。いくら準委任契約とはいえ、それぞれのプロジェクトにはマイルストンがあり、そこで何等かの成果が求められます。かといって、がむしゃらに自らを犠牲にして何でもかんでも対応するわけにはいきません。

プロジェクトが始まって2か月ですが、ここまでの取り組みを通じて、効率を上げ手戻りを防ぎ、スピードある開発を実現するために重要だと考えるポイントをあげてみます。

① プロダクトオーナーシップ

Scrumでいうところのプロダクトオーナーの役割はお客様に持っていただくのですが、特に、今回のように複数プロジェクトを同時に実施する場合は、各プロジェクトのバックログの優先度だけでなく、プロジェクト間の優先度を決定いただけるかどうかが決定的に重要です(なので開発が始まる前に十分にご説明させていただきます)。ステークホルダーが多い中で優先度をつけることは簡単ではなく、プロダクトオーナーのリーダーシップやビジョンが重要な要素だと考えますが、今回は明確な判断をいただくことができ、助かっています。

② 最適なツール

今回は Google の G Suite 向けローコード開発環境の AppMaker を利用しています。このツールはコード(Google Apps Script や JavaScript)を極力書かずに済ませられるため非常に開発効率が高く、ステークホルダーが多く変更要望が発生しがちな今回のような開発スタイルにはマッチしています。おそらく、AppMaker でなければ、今の開発スピードは維持できていないと考えます。もちろん、ローコード開発環境が万能というわけではないので、お客様のニーズや状況に応じたツールやプラットフォーム選択が必要です。

③ コミュニケーション設計

当たり前の話ですが、お客様とのコミュニケーションと信頼関係構築は非常に重要です。チャットを利用して会話を促進することはもちろん(開発は完全リモートで実施しています)、デモを通じたエンドユーザーとの対話の在り方や課題管理の手法(関わっているお客様は全プロジェクトトータルでは相当な数になります)についても、プロダクトオーナー(記事中の永留様)や、各プロジェクトの担当コンサルタントの方(記事中の室木様、熊谷様)と、日々コミュニケーションを取りながら改善提案を繰り返しています。

④ 専任化しないこと

4つのプロジェクトがあるなら4人アサインしてそれぞれプロジェクトを一つ受け持てば良いではないか、と思われるかもしれませんが、それでは決してうまくいきません。情報が偏り知恵が生まれず停滞し、トラブル時に対応できなくなります。今回は(アジャイルスタジオ福井ではほとんどそうなのですが)、いわゆるペアプロ、モブプロと言われる方法で、メンバー全員がすべてのプロジェクトの知識をまんべんなく持てるようにしています。

⑤ 徹底提案

メンバーは、プロジェクトのためにうまくいくと思うことは、お客様に対しなんでも徹底的に提案します。例えばQA表のやり取りの改善や、レビュー会で要望が増えてきた場合の優先度付けについて、など。指示を待って何もしない、ということはありませんし、まずいと思ったことは何でも指摘することを意識しています。これは、もちろんコミュニケーションと信頼関係がベースとなりますので、お客様満足の高い成果が出せるよう、技術の習得と改善にも時間を割き、デモや打ち合わせの場でステークホルダーの満足度を下げない努力をしています。

チームは1週間スプリントのScrumを基本としていますが、状況は日々刻刻と変化し、それに対応すべく改善を繰り返しています(かんばんの形もどんどん変化しています)。アジャイル開発を採用すればうまくいくなんてことは決してありません。まだプロジェクトは半ばです。良い成果が出せるよう、引き続き様々なことにトライしていきます。

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